こんにちは。RAGTAG新宿店の関口です。
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今回はこちら。
GR10K/¥23,100(税込)/サイズ:L
2019年より始動したこのブランドは、デッドストックや軍用のハイスペックなファブリックを用いたメンズウェアを展開しており、ローンチから僅か2~3年ですが、日本では既に多くのセレクトショップが取り扱っています。
2019年スタートと前述はしましたが、前身となるプロジェクトを含めると、歴史は1925年にまで遡ります。
広告、編集、映画製作を手掛けていたAnna Grassiが、1925年に祖父が創業した労働産業および軍事向けに開発されたワークウェアを生産するイタリアの工場Grassi AlfredoSPAをもとに、持続可能な衣類の制作プロジェクトとして「Grassi 10000」を開始し、19-20秋冬から、JW AndersonやLN-CCで経験を積んだバーミンガム出身のJoshua Brinksmanを引き入れ、「GR10K」としてリローンチされたという訳です。
一見ユニフォームのようなウェアが多いGR10Kですが、ファッションとは無関係な余剰製品をアップサイクルしていたり、一般市民的な基準からすれば珍しいテキスタイルは、人知れずファッションの変化を楽しみたい方には打ってつけのブランドであると個人的には思っています!
こちらのニット、写真だけでは一見ウール100%に見えますが、品質タグを見てみると、ウール50%、アラミド50%の文字が。
ちなみにアラミド繊維とは化学繊維の一種で、普段の衣料品に使用されている化学繊維に比べ、耐熱性・強度・難燃性・耐薬品性に優れており、防護服や、ミリタリーのアイテムに多く見受けられる繊維です。
ニットの生地は、防弾チョッキと耐火キットを解体して製造されており、ホームセンターでしか見ないようなものが、ここまで洗練された衣服として昇華されているという事に驚きです。
ニットの形自体は、保険会社の警備員のニットを参考にしているそうで、アラミドを採用しているのはそういう事かと私自身も納得です。
袖部分にプリントされているこちらのパッチには、ユダヤ系ドイツ語作家、Peter Weiss(ペーター・ヴァイス)の著書、Die Ästhetik des Widerstands(抵抗の美学)の文字が記されています。
GR10K はこのニットに限らず、最近発売されたSalomonとのコラボシューズの配色も、同じくPeter Weissの作品からインスピレーションを受けているそうです。
中々デザイナーの意図を解釈するのは難しいですが、今回紹介したニットをはじめ、単純にかっこいいと思えるパターンやディティール、テキスタイルが魅力なブランドなので、まずは着てみて頂きたいです!
スタッフ一同、みなさまのご来店お待ちしております!