![[COMME des GARCONS HOMME PLUS]無駄が多いほどファッションは楽しい](/wp-content/uploads/2024/02/TOP1100-695.jpg)
[COMME des GARCONS HOMME PLUS]無駄が多いほどファッションは楽しい
Buyer's VOICE
今回は私が[コムデギャルソン]を買い続けている中で、歴代最高散財金額を誇る2006年春夏シーズン、テーマ「Rip & Tongue」のアイテムをご紹介します。

Profile
NAKAMURA
銀座店 / バイヤー
COMME des GARCONSの魅力に取りつかれ、デザイナーのこだわりが詰まった様々なブランドの良さを一人でも多くの方に伝えたく、そんな想いをもちながらお買い取りを日々行っております。「おしゃれを楽しむ」「新しいお洋服を着た時の高揚感」毎日が楽しくなる生活をお手伝いします。
- 過去の執筆記事
- /magazine/author/nakamura/
index
はじめに

当時は「こんな派手なデザインばかりで売れないのじゃないか…」なんて予測がされていたらしいのですが、結果は[コムデギャルソン]の長い歴史の中でも当時トップクラスの売り上げとなったと言われる‘2006年春夏シーズン。そのシーズンの代表的なアイテムをご紹介します。
2006年春夏シーズン「Rip & Tongue」

「Rip & Tongue」
このアイコンをご存知な方は多いのではないでしょうか。またはどこかで見たことがあるのでは?
そうです、今もなお現役で活躍している世界的ロックバンド「ローリングストーンズ」のアイコンです。
[コムデギャルソンオムプリュス]2006年春夏シーズンでは、このアイコンがジャケット、シャツ、ニット、Tシャツ、スウェット、パンツ、スニーカー、はたまたサングラスまで全身にリップ&タンが施されました。
パターンオンパターンジャケット

もれなく私も全身で着用していたのですが、駅のホーム、電車の中で二度見の嵐、若者のグループの前を通る際には変な歓声を浴びながら出社しました。恥ずかしいのでジャケットを脱いでもシャツもリップ&タンなので意味がない。
その中でも象徴的なド派手なアイテムが、この “パターンオンパターンジャケット” です。柄の上に柄を重ねるデザイン。この手法は何シーズンか前にもあったのですが、[コムデギャルソン]の中でもここまで派手なデザインではなかったので斬新でした。
[コムデギャルソン]の面白い特徴

他のブランドと比べて多い[コムデギャルソン]の特徴として、シーズンが過ぎて何年か後に、当時よりも二次市場の価格が上がることがあります。
それは昨今のアーカイブが注目されているということではなく、何故か上がるのです。
「あぁ、あの時買っていればよかった」、「あれ?これってこんなにかっこ良かったっけ」などなど、何年も先に行く[コムデギャルソン]ならではの特徴なのかな、なんて思っているのですが、2006年春夏もその代表的シーズンです。
最後に

[コムデギャルソン]はメンズのサルエルパンツを1999年に発表、メンズがスカート着用してランウェイを歩くなど、ジェンダーレスなんて言葉は関係なく「自分がかっこいいと思ったモノを作るだけ」この精神がずっと貫かれて今に至ります。
洋服が似合う似合わないなんて誰かが決める事ではなく、自分が着たいモノを着る。私はずっとその精神や想いを大切にしています。TPOを無視する事ではなく、「こんな派手なデザインは恰好よくないかな」とか「いい年して明るい色や柄物を着ていいのかな」なんて考えず自分が着たいと思ったモノを着用しています。
フリル、レース、スタッズ、水玉、フリンジ、アシンメトリー等々、思い出すだけでワクワクするような日常生活には無駄なデザイン。そんな無駄なデザインを楽しみながら、一人でも多くの方にファッションの楽しさを伝えていき、お客様と一緒に共有していけたらいいなと想っています。
