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[BAOBAO][PLEATS PLEASE]イッセイミヤケの哲学
Buyer's VOICE

Profile
MATSUSHITA
日本橋高島屋店 / バイヤー
「お客様と一緒に店舗に笑い声を響かせること」をモットーに、お洋服だけでなく世間話を挟みつつ楽しく接客させていただいています。お気に入りのワードローブを探すお手伝いを是非させてください!洋服はYohji YamamotoやISSEY MIYAKEなどのドメスティックブランドが得意です。
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「一枚の布」
三宅一生が1971年にスタートした[イッセイミヤケ]。
ブランドを語る上で欠かせないキーワードであり、三宅一生亡き現在まで受け継がれ続けているコンセプトが「一枚の布」です。「一枚の布」とは[イッセイミヤケ]の服作りは1本の糸から研究し、オリジナルの素材を作ることから始まることを表した言葉。そうして作り上げた布と身体の間に生まれるゆとりや、間(ま)の関係を根源から追及するという哲学の下、作られるのが[イッセイミヤケ]や[イッセイミヤケ]グループのお洋服たちです。

〈[A-POC]〉
この「一枚の布」というコンセプトが強く表れているのが、三宅一生と藤原大によって立ち上げられたプロジェクト[A-POC(A Piece Of Cloth エイポック)]です。
一般的な服作りが生地を縫い合わせるのに対して、[エイポック]は様々な形の一枚の布を切り出すことでお洋服を作ります。
また[エイポック]に代表されるようなお洋服作りの技術革新も積極的な[イッセイミヤケ]。そんな革新的な技術をもって作られた[イッセイミヤケ]グループのアイテムを紹介します!
[プリーツプリーズ]

元々は[イッセイミヤケ]の1988年のコレクションで使用されたプリーツデザインが始まりです。その後、素材から見直されて1994年に単独ブランドとしてスタートしました。
一般的なプリーツデザインの製品がプリーツ加工を施した生地から服を作っていくのに対して、[プリーツプリーズ]では縫製が施された後に加工を行う「製品プリーツ」という手法によって作られます。その「製品プリーツ」の最大の魅力は、プリーツが洗っても取れないということ。疑いたくなりますが、実際に製品を触っていただくとお分かりいただけると思います。

開発まで5年を要したといわれる[プリーツプリーズ]は、東レと共同で糸の開発から行われ、仕立てられた服には、プリーツ加工技術の最高峰である白石ポリテックス工業にてプリーツ加工を施します。通常よりも高い熱を微調整を繰り返しながら加えることで作られるため、簡単に損なわれることなく、また滑らかな質感が保たれます。

私自身も[プリーツプリーズ]の店舗でそれを体感し、また店員さんからの「軽くて速乾性が高く、お手入れもしやすく保存もコンパクトにできますよ」との言葉で、初めての[プリーツプリーズ]を購入しました。
その言葉通り、座っても型崩れせず、快適な着心地と締め付けのないリラックス感のあるデザインから、コロナ過でステイホームでもおしゃれができると、人気にさらに拍車がかかりました。お食事などのお出かけにも、何気ない普段の買い物、ヨガなど、なんといっても1枚でおしゃれを楽しめるのがうれしいポイント。

単品使いでももちろん魅力的ですが、私がおすすめしたいのはプリーツ同士のレイヤードやセットアップ。
甘く着たいときはワンピース単体で、よりモード感を出したいときはパンツを着用しセットアップ風に着こなしています。生地が薄い分重ねても着膨れしないところがとても魅力的です。また、[プリーツプリーズ]のアイテムは基本的に同じ素材なので色やシルエットにも一体感が生まれます。
現在は人気高騰で人気色はすぐに完売してしまいます。そのため新作はもちろん、年代を超えた10年以上前の品物も人気が高いです。
[バオバオイッセイミヤケ]

メッシュ生地の上にPVC製の三角形のピースを規則的に配置させた[バオバオ]のバッグは、その先進的なデザインから、耐久性に懸念を持たれる方も少なくありません。
しかし、メッシュ生地に用いられるナイロンは、その糸の撚り方、編み方から研究され、十分な耐久性と三角のプレートを際立たせるさりげない存在感を兼ね備えています。
そんな[バオバオ]のバッグの魅力は中身によって形が変わり、持つ人によっても表情を変えるおもしろさとデザイン性。
そして素材やカラーバリエーションも豊富で、コレクションしたくなる唯一無二のアイテムです。[イッセイミヤケ]のキーワードでもある「空間」、その絶妙な空間使いが物を入れたときに立体感を生み出し、新しいデザインが生まれるのです。
定番の“LUCENT(ルーセント)”

まさに[バオバオ]といえばこのモデルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
最もベーシックな6×6の正方形から成るこちらは、大きすぎず小さすぎない、ちょうどいいサイズ感。
光沢のある三角ピースは包むものによってバッグがつぶれた時にも、異なる反射の仕方で上品さを演出してくれます。A4も入るのにマチがないため軽く見える。おしゃれなだけでなく実用性もポイントです。
新作が毎月発売され、そのたびに完売してしまうことがほとんどですが、初めての[バオバオ]にはピッタリなモデルです。
“PRISM POCHETTE(プリズムポシェット)”

こちらは2020年に発売された“PRISM POCHETTE(プリズムポシェット)”。
ポシェットタイプのミニバッグで携帯もすっぽりと収まりとても実用的です。プレート部分は限定でもう一色選ぶことができました。付け替えが可能で楽しむことができる、遊び心あるシリーズでした。
2022年発売の“OVAL(オーバル)”

三角ピースの部分はマットな質感で、ハンドルは定番と打って変わって太いシルエット。
牛革が使用されており、持ち手の負担を軽減するような柔らかい素材が選ばれています。先にご紹介した2モデルとは少し異なり、より上品さを感じられるデザインとなっています。

身に付ければ付けるほどに魅力を感じられ、コレクションしたくなる[イッセイミヤケ]のアイテムたち。
三宅一生が長年貫いたであろう、時間が経っても変わらない物作りへの思いが、世界中の洋服好きに愛される理由です。
以前【RAGTAGものがたり】でもお客様とのエピソードをご紹介させていただきましたので、よろしければご覧ください。
▽[イッセイミヤケ]のアイテムをオンラインショップで見る